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幸福なコミカライズ、島本和彦の隠れた名作!「サムライスピリッツ」 [ゲーム]

来年、サムライスピリッツの新作が出るという。

オリジナルはスト2ブームの頃、ついに出たという感じの武器格闘ゲームだったが、まあ出来もよろしくて人気ゲームとなった。アニメ化もされた。ゲームを作っていたSNKの社運をかけたゲーム機、ネオジオ64のローンチタイトルにも選ばれたのはよかったのか悪かったのか。ポリゴンブームの波に飲み込まれ、SNKが育てた人気タイトルは一夜にして海の底に沈むアトランティス大陸となった。もはや神話となってしまった、遠い昔の話である。

で、その人気全盛の頃、コミックボンボンのコミカライズでなんと島本和彦が描いているのである!島本和彦は量産体制の漫画家で当たり外れがある上に児童誌である。どんな適当なもんが出来上がってくるか嫌な予感がしてしまうのだが、これがまあ見事に嫌な予感が大外れで、島本作品の中でもかなりの傑作な部類なのではなかろうかと思う。

タイアップ的なコミカライズが失敗してしまうのは、作家に与えられる情報が混沌としている発売前に仕事を進めなくてはいけない都合上、モチベーションは上がらないわ、作品をリスペクトする暇もないわで、もはや必然とも言える。

島本版のコミカライズが成功したのは発注時期が要因だと思われる。ゲームは1993年に発売されているが、漫画の連載は94年の6月号から。ゲームをスタッフらとかなりやりこんだのだろう。作画に原作愛がかなり感じられる。ゲームをやったことがある人ならわかる攻防、間の取り方など、そのまんま違和感なく作品に取り入れているのだ。
島本サムスピ3.png
キャラクターも捨てキャラなく、原作のイメージを逸脱せず、その上に島本和彦の解釈をのせ発展させているが失敗していないと思うのである。殺伐とせずどこか牧歌的で心地よい世界観だ。

特に不知火幻庵が良い。
島本サムスピ2.png
2巻はナコルルの2Pカラーが登場し、良いコンビになっている。
島本サムスピ1.png
最後まで空回りを貫き通して、他キャラと全く噛み合わないガルフォードも良い。
2巻で終わっているのは惜しいと思うぐらいキャラクターがよく出来ている。まあ良いとこで終わってるということかも知れない。

ちなみに同じ時期に内藤泰弘がファミリーコンピュータマガジンでコミカライズを連載している。こちらはオリジナル要素満載で、狙ったのかどうなのか打ち切りっぽい終わり方をしている。
島本サムスピ4.png
その翌年、内藤氏は「トライガン」の連載を始め、大ヒットさせてしまうのである。内藤版サムスピは苦手なのだが、自分はトライガンも肌に合わないので、好きな人には面白いのかも知れない。

 

サムライスピリッツ 1 (コミックボンボン)

サムライスピリッツ 1 (コミックボンボン)

  • 作者: 島本 和彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1994/10
  • メディア: コミック



サムライスピリッツ 2 (コミックボンボン)

サムライスピリッツ 2 (コミックボンボン)

  • 作者: 島本 和彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/04
  • メディア: コミック



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  • 出版社/メーカー: SNKプレイモア
  • メディア: Video Game

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