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日露戦争の諜報戦に暗躍したスーパーおじいちゃん、みなもと太郎「松吉伝」 [歴史漫画]

ちょっと前、まとめサイトで愛新覚羅(あいしんかくら)という珍しい名字のお医者さんが話題になっていた。調べてみると、定期的に話題になっているらしいが。愛新覚羅はラストエンペラー溥儀の名字で、日本にその末裔がたくさんいるのだそうだ。

自分が愛新覚羅で思い出すのは、みなもと太郎の「松吉伝」
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坂本龍馬の偉大さを伝えたいがために関ヶ原の合戦から話を始め、1979年に連載を開始して39年かかって現在生麦事件までたどり着いた漫画、「風雲児たち」の作者であるみなもと太郎が、スーパーおじいちゃんについて語った一冊だ。

子供ながらに只者でないと違和感があった祖父、松吉の逝去後、遺品を整理する過程で甘粕正彦と交流があったことを知ったみなもと太郎は、ここから長い年月をかけておぼろげな祖父の実像を掴んでいく。
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明治天皇の近衛兵試験を優秀な成績でクリアし、日露戦争の諜報戦で活躍。抗日運動の活発化した朝鮮の田舎で警察長官をし、満州国の建国にも関わっていたという。

同居していた元新聞記者の父が、詳しい話を聞き出そうとしていたが口が堅く、失敗している(このコマがすごい好き)。
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わずかながらに日露戦争勝利の秘密のごく一部を聞き出してはいるが、全く裏の取れない話であることを作者も理解しているので、「眉唾」とした上で描写している。
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ちなみに、安彦良和の「天の血脈」だったかに件の甘粕正彦と、のちに彼に殺される大杉栄が登場する。この松吉伝で、その大杉事件の映画を見た松吉が、甘粕はあんな男ではないと憤慨するシーンがある。大杉事件ってどんなのだったんだろうと、ずっと漫画で読んでみたかったのだが、なんと天の血脈ではそれが一切描写されずに終わってしまっていて心底がっかりした。打ち切り?

ちなみに天の血脈(虹色トロツキーだったかも)では、みなもと太郎ギャグがあった。
そういえば安彦良和は風雲児たちの帯の推薦文も書いていたような気がする。松吉伝も読んでいるのだろうが、それが天の血脈の前だったのか後だったのか。いずれにしても惜しい。

 

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