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日本は素晴らしい国。戦場カメラマン渡部陽一は何を語ってきたか。「山田玲司「絶望に効くクスリ」 [時事ネタ]

前回に引き続き安田純平ネタ。


「いや、とにかく荷物がないことに腹が立って、ということと、トルコ政府側に引き渡されるとすぐに日本大使館に引き渡されると。そうなると、あたかも日本政府が何か動いて解放されたかのように思う人がおそらくいるんじゃないかと。それだけは避けたかったので、ああいう形の解放のされ方というのは望まない解放のされ方だったということがありまして。」

解放されて早々にNHKの取材を受けている。開口一番、助けられ方に注文つけてるあたり、凄まじくタフだ。煮ても焼いても食えない変人なんじゃなかろうか。

で、Twitterにはスローで喋る戦場カメラマンこと渡部陽一のジャーナリスト十戒みたいなのが安田純平を批判する意図で出回りまくっていたが、これがフェイクだったらしいと今朝ニュースになっていた。批判側に都合よすぎるネタと言うことで自然と警戒してしまっていたが、危ないとこだった。

渡部陽一といえば、「絶望に効くクスリ」にも出演していた。
作者の山田玲司は見た限りでは今回の話題に参加していなさそう。
色々バッシングもされているだろうから懲りたのだろうか。

ちなみに今回の件で漫画家で一番目立ってるのはしりあがり寿だろう。新聞の4コマを本人も取り上げている。

「世界で何が起こってるか、調べて伝えてくれる人が必要だと言う話。」これにはちょっと考えさせられる部分もあった。こないだウイグルで中国政府が弾圧を加えているというニュースがあったからだ。でもこういう話題は中国取材ができなくなるからメディアは表立って取り上げないという。ちなみにしりあがり寿の4コマは朝日新聞だという。ウイグル問題も取り上げるのだろうか。非常に興味深い。

で、改めて「絶望に効くクスリ」の渡部陽一回を見直してみた。
戦場カメラ1.png
単行本の5巻だ。この巻には富野由悠季も出てくる。

戦場カメラ3.png
>ジャングルの中を進んでいくと…ヤリやカラシニコフを持った20人くらいの山賊らしき人達に遭遇した。運転手は叫んだ!!「危ない!!すぐに隠れろ!!」40メートルほどのところから彼らは撃ってきた。渡部氏はトラックの影で腰を抜かすが、幸い弾は当たらず、泣きながら彼らを見ると、撃ってきた彼らはまだ14?15歳の少年だった…。彼らはすべてを略奪し、同行していた女性を暴行した。何もできず彼らに殴られまくり…彼は心に誓った。「こういう現実を伝える人が必要だ…。電気もないジャングルの奥で内戦があって、理不尽に人が殺されているんだ。」

今回フェイクだと発表されたのが「捕まったらジャーナリスト失格」という部分。よくよく考えてみると、捕まったらという表現は変だ。おそらくこういう取材で危険な目にあうことは避けられない。渡部氏も7回ほど殺されかけているという。厳しい人が「死んだら負け」とか言い出すならわかる。実際に渡部氏も生きて帰ることをモットーにしている。捕まる捕まらないを基準に良し悪しをはかるというのは、このフェイクを作った人が拘束された人への抗議目的で作ったからではないだろうか。

今回漫画を読み直し、取材する意義というのは考えを改めた。
じゃあ安田純平というのは改めてどう思うのか。
うーむ、やっぱり好きになれん。
そこはチキン国家とかの発言が尾を引いているのだと思う。

取材を妨害されたとかで憤慨しているようだけれども、そんなの妨害されて当たり前。行ってこいなんて送り出されるはずもないのを理解してない幼いキャラクターが批判のタネになっているような気がする。ステレオタイプの頭の悪いロッカー的な反体制キャラと考えると分かりやすいと思う。そこいくと渡部さんはTVで見た感じ穏やかで品がある。漫画でも「それで帰ってきて…あらためて日本ていう国がすばらしい国だなぁって思うんです…」と語っている。
戦場カメラ4.png
渡部さんが捕まったらと考えると、なんとしてでも助けてあげて!と思ってしまうだろうなあ。

ちなみに「大砲とスタンプ」の新刊まだかなーと作者のツイッターを調べたら、こちらも安田純平擁護派だった。著作のファンらしい。

自分が買った安田純平の著作は電子化したまま積ん読になってるが、これを読めばまた印象も変わってくるのかねえ。

 

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