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俺はイケメンじゃなかった。10年以上、的場浩司だった。 [モテる漫画]

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全然問題ない。
そう言っていたPDTの女の子は、俺の『眠そうな顔』が女の子の不興を買っているのでは説を聞くと、しばらく考え込み、やがて能弁に喋り出した。

「…確かに疲れた顔をしてます!」

「それに…笑顔が少ない!」

ガーン。
ショックだった。
この『眠そうな顔をしない』は今回のテーマだった。

それなりに気を張って、事に臨んだつもりだった。
それなのに…、たかだか1時間ちょっとも保たなかったのである。
思ったよりはるかに自分でどんな顔してるかも分かりにくいのが改めてわかった。

それに笑顔が少ないという指摘もショックだった。
それなりに意識して笑顔を作っていたつもりだった。
これで少ないなら、もっと機関銃のように、長篠の戦いのように笑顔を作って、やっと人並みということである。

 
むかし、接客をしていてお客さんから唐突に「なんて顔してんだ」と凄まれたことがあった。いかつい人だったので、「何言ってんだこの人?」としか思わなかったのだが、その数時間後、また別の人から同じように凄まれたのだった。よっぽどひどい顔をしていたのだとその時に気づいた。

本宮ひろ志が「実録たかされ」の中で、素がどんな顔かでその人の人生が決まると書いていた。
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「人間の顔には全く表情をつけない自然の顔がある。顔の筋肉を使わないニュートラルな地の顔だ。地の顔が笑い顔ならそれだけで特な生き方をする。怒りの顔、泣き顔、アホ顔。この時の江川の顔は泣き怒り顔だ。決して他人から好かれる顔ではない…。」

俺はイケメンだと言われることが多い。
新人のバイトの女子高生が俺が見てないところでtwitterでなんども呟くぐらいである。駄菓子菓子、素の顔は実はイケメンではなかったのだと気づいた。女の子は、こっちの顔とデートしていたのだ。

むかし俳優の的場浩司が話してた笑顔に関するエピソードも思い出した。
新人時代、笑顔ができてないことを監督から指摘されるも、映像を見るまで理解できなかったという話。

笑顔ができてるかどうか、自分でも分かりにくいもんなんだなあ、大事な話だなあと理解したつもりになってもう10年以上経ったかもしれない。駄菓子菓子、全く身についていなかったのである。

 
つづく。

 

実録たかされ 第1巻

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的場スイーツ ~本気の113品~

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