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狩撫麻礼追悼!「ハード&ルーズ」に学ぶ男の生き様!!3 [シリーズ]

引き続き「ハード&ルーズ」の名作回を発表して行く。
ただ、男の生き様が重要なテーマゆえに言語化すると陳腐になってしまう名作回も多い。ひとまずインスタ映えしそうな、構成が秀逸な名作回と断っておく。

第3位。
「無題」

今度は銀座の一流ホステスから初恋の人を探してくれという依頼がきた。なんか同じような話が続くが、恋愛モノは名作回が多いのだ。高校時代の家庭教師で、昔の漫画のテンプレの浪人生みたいな冴えない風貌だ。
ホステス1.png
「貧乏でケチで小心でド近眼で臭くてスケベで早漏で…取り柄のない大学生だったなァ」
「あたし彼が初めてじゃなかったよ。ロスト・バージンは中学の同級生だったし」
「あれから10年経ったんだ。長いよね10年て。忘れてたんだスポーツ新聞の”初恋のヒト探します”見るまでは…」
「でもその時、ああ、あの男が初恋の男だったな…って気がついたの。」

例によってアッサリ見つけて会う段取りをつける。
ホステスが見たターゲットは、立派な紳士になっていた(ちなみに彼女持ち)。
道を聞くふりして接触してみるものの、男は気づかず。
ホステス2.png
化粧のせいで気づかなかったのではと推測する探偵事務所員。
ホステスは泣く。
「負けちゃった。あんなにキレイになっちゃうなんて…。」
ホステス3.png

かける言葉が見つからない探偵事務所の面々だったが、ホステスはサバサバした顔。
ホステス4.png
「そんなに深刻な顔しないでよ。別にどーってことじゃないもん。」
「あの頃あたしってお尻が軽いとゆーかフリー・セックス気味だから彼以外にも何人も男がいたのよ。そのことでずいぶん痴話ゲンカしたわ。別れ際にあの人こう言った。おまえの肉体は男を狂わす。お前は先々きっと水商売で成功するだろう…ってね。」
「嫉妬が言わせた捨てゼリフだと思ってたんだ…。10年…これでも結構いろんなことしてきたのよ。その度に男関係でモメて転職…すっかり遠回りしちゃった。」
「今わたし充実してるんだ。わかる?ライフワークだもん。毎日男に口説かれて節句巣してお金貯めてゼイタクしてもう楽しくて楽しくて…。今でも貧乏で汚くてスケベでモテなくて安アパートで時々あたしのこと思い出してオナニーしてるに違いないって勝手に決めていたんだ…。あの男の前に突然現れて”ホラ、あんたが予言してくれた通りになったよ。もう一度抱いてもいいんだよ”…って言うつもりだった。
「あんなに遠くに行っちゃうなんてさ…(もう一度泣く)」

 
よくよく考えると、振られた女を見返してやりたいと言う誰もが持つセコい願望の漫画化なのかもしれないが、ホステスのキャラクターをデティール細かく描写しているおかげか薄っぺらさがまるでない。課長島耕作の馬島典子みたいなサバサバしたいい女だ。

 

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