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NHK正月時代劇「風雲児たち~蘭学革命篇~」はどうだったか? [歴史漫画]

元旦から仕事が死ぬほど忙しく、更新など夢のまた夢という感じで間が空いてしまいました。
新年一発目はこれ。

みなもと太郎原作、NHK正月時代劇「風雲児たち」はどうだったか?

結論から言うと、やっぱり原作の方がいい。
当たり前の話なんですけど。

まあ、アニメにしろ映画にしろ原作を売るための宣伝媒体でしかない。これ以上ないぐらいの贅沢な環境と条件で放送されたのは喜ばしいことだと思う。それらを含めてケチつけるのもどうかと思うので、ちょっと言い方を変えてみる。

ドラマで初めて原作を知った方へ。
原作はドラマよりもっと面白いぞ!

 
俺が一番好きなのは、今でいうCMソングを作って商売を成功させた源内のことを、良沢が「卑怯な商いだ」と斬って捨てるエピソード。あー、こういう人いるいると、軽く微笑んでしまうコマだが、これがこの蘭学事始編の構成の核を端的に表している重要なコマだ。二人のキャラ設定だけでなく、この事業が翻訳と同じぐらい困難な「対世間」も含まれているという見事な暗示となっている。が、ドラマには出てこなかった。
買いたい1.png
ドラマ版は「対世間」の表現を、「暴漢に襲われまくる」という風に記号的にアレンジして済ませていた。尺の都合だと思われるが。。。原作では玄白のクレーム対応シーンに多くの尺が当てられており、だからこそオランダ語が全くできないにもかかわらず、ドラマ版よりも相棒感があるのだ。
蘭学事始3.png
原作では良沢が主君に会う前に同僚たちから蔑まれているコマがあり、褒められるのはまさかの展開なのだが、ドラマ版は唐突に会ってしまっているので感動が少ない。
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感動といえば、完成のシーンは泣けた。
原作では3人で喜んでいるのだが、ドラマ版は玄白の姿がない。「一度決裂した二人が長い年月をかけて和解する」という安っぽい脚色がされているためだ。原作では決裂した後も二人はちょこちょこ会っていて、面白いエピソードが満載なのだが、それらを全てなかったことにするというのは正直どうなのかなと思う。
蘭学事始1.png
一番疑問に思ったのは、主演二人の配役が逆じゃね?ということだ。新納慎也って真田丸の秀次役はとても良かったけども、ちょっと浮世離れした顔だ。神経質そう。バットマンでジョーカー役とかできそう。片岡愛之助の方がニコニコしていて世間知がありそうに見えるのは俺だけだろうか。つくづく、真田丸の幸村信之コンビで見たかった。高山彦九郎役が高嶋政伸だったのは適役すぎて笑っちゃったけども。


ところで、告知番組でみなもと太郎の書庫が写されてたんですけども、貴重そうな本がいっぱい。電子化したいなーとつい思ってしまいましたが、自分の書庫ですら電子化が追いついていない、増える一方なのでやっぱり無理か。みなもと先生もかなり高齢で、「風雲児たち」がちゃんと完結できるのか今から不安ですが、アレらの本も先生の死後どこへ行くんだろうと、いらぬ心配をしています。
風雲児たち~蘭学革命篇~

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  • 作者: みなもと太郎
  • 出版社/メーカー: リイド社
  • 発売日: 2017/12/11
  • メディア: コミック



風雲児たち 幕末編 30 (SPコミックス)

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  • 作者: みなもと太郎
  • 出版社/メーカー: リイド社
  • 発売日: 2018/02/27
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蘭学事始ぴあ (ぴあMOOK)

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