SSブログ

文春砲も暴けなかった不朽の名作映画の真の脚本家とは?山本おさむの「赤狩り」 [名作紹介]

ネットで山本おさむの赤狩りを紹介した記事を読んで衝撃を受けた。
栄光なき天才たち以来のコミカライズじゃん!

「栄光なき天才たち」は栄光が無かった天才たちをテーマにした短編漫画集だ。「赤狩り」のエピソードは単行本1巻の最終話。アカデミー賞候補映画「黒い牝牛」の脚本家ロバート・リッチが実は、赤狩りにあって業界を干されたドルトン・トランボであるとスクープカメラマンが突き止める話。
トランボ1.png
屈辱的な待遇で日雇い労働者を続けるトランボを見てガセネタだったと失望する同僚とは反対に、リッチと同一人物であると確信する主人公。トランボのあばら家に「黒い牝牛」の脚本があるのを望遠カメラで撮影に成功。意気揚々と会社に戻るも、掲載されればアカデミー賞の選から外されると知り、フィルムを破棄する。
トランボ2.png
正体が秘密にされたおかげで「黒い牝牛」はアカデミー賞を受賞。
主人公は望遠カメラで喜びの瞬間を分かち合うことで満足する。
トランボの奥さんは「ハリウッドもあなたの才能は追い出せなかった」と褒め称えて終わる。
トランボ3.png
 
あれをテーマにした漫画を描くとは興味深い、と単行本化された「赤狩り」ので買って読んでみた。なかなか暗い話だ。

この記事を書くためにトランボで検索してみると、近年赤狩りのエピソードが映画化されていた。偶然の一致か、企画が通りやすかったのか。

しかもそこで「ローマの休日」がドルトン・トランボの脚本だと知る。
トランボ4.png
「黒い牝牛」も「ジョニーは戦場に行った」も見たことがない俺でも見たことがあるしオススメしたい不朽の名作じゃないですか。近年、ガンダムユニコーンの中でこの映画の看板を見たヒロインが、とっさにオードリー・バーンと偽名を使うシーンがある。

「ローマの休日」では、やはり赤狩りに配慮して赤の他人の名前を使ったらしい。
そうなると、栄光なき天才たちの話もちょっと変なことになってくる。
そもそも、そもそもトランボは日雇い労働者やってたのだろうか。まあ、それぐらいの「盛り」があったとしても、この漫画の名作っぷりは揺るがないのだが。

調べてみると、所有の単行本1巻は1987年初版。
ローマの休日の件が発覚したのは1991年らしい。
ちなみにトランボが亡くなったのが1976年。

ちなみに山本おさむの「赤狩り」では冒頭からローマの休日のメイキングをこれでもかと労力をつぎ込んで描写していて素晴らしいのだが、この件について触れておらず、オチとして用意してるっぽい。

今日まで俺も知らなかったぐらいだから、知らない人も多いかもしれないけども、バラエティ番組でも扱われたネタだそうなので、その辺はどうなのかなと思う。

 

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray



赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD 1 (ビッグコミックス)

赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD 1 (ビッグコミックス)

  • 作者: 山本 おさむ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: コミック

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。