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ハンターハンター休載の冨樫義博はどんな作家生活?過去の実態を描いた味野くにおの「先生白書」 [注目作品]

中断&再開で度々ニュースになるハンターハンターの冨樫義博。その元アシスタントが現役時代を回想した漫画、「先生白書」を購入した。ちなみに単行本は書き下ろしで、同時にウェブ連載も始まっている。
先生白書1.png
ちなみに自分にとって冨樫義博はちょっと苦手な作家である。というか、ワンピース、ナルト、ブリーチ、あの辺のドラゴンボール終了後の看板漫画に興味が湧かないのだ。自分にとってハンターハンターもそのカテゴリーに入る。その前の世代の「忍空」や「幽遊白書」のヒット作品もピンと来ない部分が多く、その頃からジャンプ卒業の時期がきたというだけなのかもしれない。

冨樫義博といえば「てんで性悪キューピット」。ヒロインが拘束されて服を剥ぎ取られていく。あのエロさはインパクトはあった。しかしジャンプ漫画としてヒットする匂いが感じられず、幽遊白書も早々に打ち切りになると思っていた。転機を感じたのは必殺技「霊丸(レイガン)」の登場。コブラのサイコガンをモチーフにしたそうだが、それ以前に「かめはめ波」の亜流である。ではあるが、ちょっとポーズを変えただけでありきたりな気功波系の技に新鮮味を感じてしまうことに驚いた。

主人公が霊丸を習得し、漫画はバトル漫画路線に変更。ジャンプ漫画の王道、トーナメント編が始まった。惹かれるものはあるが、過去に読んだバトル漫画と比べるとクオリティが低く感じられ、世間の反応との大きなギャップを感じた。トーナメント編が終わると、なんと今度はジョジョのスタンドバトルが始まったので怒りを感じた。パクリじゃん!しかしジョジョへの愛も感じた。この人にしか描けないジョジョが読めたと、今では好きなシリーズになっている。このシリーズ後半から作画が荒れだし、壊れていく感じも好きだ。

「霊界探偵を続けている内にね…心が何処かから腐っていくのがわかるんだ だがそれを止めようと努力する気がおきない 何故かわかるかい その腐蝕部分こそ本当のオレだということもわかってくるからさ」

幽遊白書の悪役キャラ、仙水の印象的なセリフだ。
ハードな漫画家生活をくぐり抜け、新しい作家性に目覚めたという印象だ。

しかし幽遊白書終了後のレベルEは馴染めなかった。主人公の性格の悪い王子様が仕掛けた夢オチに等しいイタズラという展開にどうにもガッカリ。「パタリロ!」と比べるとどうかと思う。ハンターハンターも勉強のために一巻買って読んでみたが、やはり作風に馴染めない体質のようである。

 
「先生白書」は幽遊白書初期からレベルEまで手伝ったアシスタントの回想録である。突然の幽遊白書終了や、ハンターハンター休載などの事件の真相が垣間見えるかもしれないと興味を持ったが、それほど突っ込んだことは描かれていない。それどころか、レベルE以降は会ってもいないらしく、交流があるという記述すら見当たらない。巻末に冨樫氏のコメントでもあるのかなと思ったが、それもない。まさか無許可で描いてるんじゃ。。。などという不安が頭をぐるぐる回り、どうにも読後感がよろしくない。まあそんな事はないと思うけども。

「先生白書」によると、「幽遊白書」は連載前「幽遊記」というタイトルで進められていたらしい。それが同時期に始まった漫☆画太郎の「珍遊記」とかぶるという理由で改題されたという。ちなみに幽遊白書が始まる前年に、任天堂が「遊遊記」というゲームを発売している。

漫☆画太郎の登場はものすごいインパクトがあり、先生白書の中でもこれはいかがなものだろうと物議を醸していて、自分も作品に批判的だった頃を思い出した。漫☆画太郎はあらゆる常識をぶち壊し、現在もオンリーワンの作家として業界に君臨している。漫画に常道無し。少年ジャンプの嗅覚と懐の広さは本当にすごいと思う。



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