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編集王に俺はなる!ワンピースよりも3年早かった土田世紀の「編集王」8 [シリーズ]

編集王第9エピソードは最高傑作との呼び声も高い明治編。

セクハラ気質で仕事はビジネスライクの明治が異動してくる。
あまり人の気持ちなど考えないので人望は無いが、きっちり成果を上げるので上司受けがいい。仕事の取り組み方が相反する先輩編集者に「お前みたいな奴から真っ先に出世するんだろうな!」と捨て台詞を吐かれ、「当たり前じゃねえか。」と内心毒づくコマは名シーン。
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エロ漫画のプロデュースを思いついたことから少しづつ明治の心境に変化が起きてくる。やり方は相変わらずエゲツないのだが、寝食を忘れ仕事に没頭。スタートさせた連載は編集部の機能がマヒするほどの抗議が殺到。雑誌は創刊以来初の完売という快挙を達成する。
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(↑抗議が盛り上がりすぎて苦悩する編集長。この頃は不況知らずの出版業界だったそうです)
田嶋陽子をモデルにした女性タレントが編集部に抗議に乗り込んだことから、政治問題にまでなりかけるが、社長はギリギリまで「エロ」を引っ張る。この辺のしたたかさの表現も好きだ。いよいよヤバいとなったことから、明治の漫画はエロを封印され、没落が始まる。
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しかし明治はキッパリと「エロ以外をやる気は無いぜ」と気を吐く。動機はただ売れるためだったが、ここにきて損得なく、ただエロを追求したいという自分の本性に明治は気づくのだった。
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そしてここから物語は明治の原体験を追う。
体格もよく、勉強も出来たが、自己評価が低かった明治はいじめにあっていた。友達は自身の空想が生み出した宇宙人だけ。そんな明治をただ一人、人間扱いしてくれたクラスメイトの女の子がいた。そして一人の秀才男子高校生との出会いによって、明治の人格を大きく変える出来事が起こる。
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ここまで凄まじくはないが、少年期の明治の思考には自分もかぶる部分がある。
「きっと人間がひと回り大きく変わろうとする時、あんたはいつもみんなの分の汚れ役を引き受けていたんだよな。」というセリフは感動的だ。

作者は一体どんな着地地点を最初に思い描いていたのか。おそらく初期の構想と違った結末になったのではなかろうか。明治の顔もだいぶ変わって主役の顔になっている。


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