SSブログ

編集王に俺はなる!ワンピースよりも3年早かった土田世紀の「編集王」2 [シリーズ]

重版出来よりも20年早かった土田世紀の編集者漫画「編集王」。
第2エピソードは企画モノがヒットして、望まない漫画を書かされる漫画家がテーマ。

1:右も左もわからない純朴な青年
2:編集者の口車に乗せられ、女性の裸しか取り柄のないような漫画を書かされる
3:それが大ヒット。辞めたいが、損害賠償10億請求され、辞められない。
4:主人公(側)が辞めさせる。ただし最終回を描くのがケジメと諭す。

という話。

しかし、これになぜか「女性の裸しか取り柄のない低俗な漫画のタイトルを、ブルセラムーンにしよう!」と作者がしたことから、何か別の意味を持ってしまった。ブルセラムーンとは、当時爆発的にヒットしていたセーラームーンが元ネタ。当時、下着を売る女子高生が「ブルセラ」と呼ばれ、社会問題となっていたので、そこに引っかけている。作者の土田世紀は面白いと思ったのだろうか。これを止めない編集者が編集王を編集していると思うと、本当にどうかしてるとしか言いようがない。しかし改変されまくったTVドラマ版でも、名称はそのまま。武内直子の度量が広すぎということなのだろうか。
編集2a.png
タイトルをセーラームーンのパロディにしたことで、最終回を描くことで決着する話の構成も微妙になってしまっている。セーラームーンの漫画は読んだことがないのだが、1話で急に完結するような話とは思えない。何話分かまとめて描いている気配も無い。それでも敵役である編集長は出来上がった最終回を「最高の出来であることはわかっている」と読まずに分析している。他業種の人が業界を知らずに描いたような内容になってしまっている。
編集2d.png
さらに言えば、「最終回を描かせる」という物語決着の手段が主人公のアイディアではないという構成も変だ。これによって第2エピソードからさっそく主人公の無能感が漂い出している。副編集長のキャラは立ったかもしれないが、あまり意味はなかったように思う。
編集2b.png
この企画モノというテーマは、連載の後半、明治編で大傑作となってリボーンされる。
編集2c.png
(役に立たない主人公)
[まとめ買い] 編集王(ビッグコミックス)

[まとめ買い] 編集王(ビッグコミックス)

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: Kindle版



編集王 文庫版 コミック 全10巻完結セット (小学館文庫)

編集王 文庫版 コミック 全10巻完結セット (小学館文庫)

  • 作者: 土田 世紀
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 文庫

タグ:編集王
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。